企業展示会に参加するにあたって

様々な産学連携イベントがあります。工学系では下記などがあります。

大学見本市

Innovation Leaders Summit

nano tech

Semicon Japan

効果的に利用すれば産学連携が進みますが、普段の学会のように参加してしまうと、なかなか企業の方に見向きしてもらえません。事前準備は念入りに。産学連携の話が進みそうな場合、積極的にNEDOの応募を検討しましょう。エネ還・新新など、2~3年で数億円の研究費を確保できるので、共同開発がスムースに進められます。

展示ブース

例とすれば、A0ポスター2枚分あたりでしょうか。学会の企業展示をイメージして頂ければわかるかと思います。スペースとして、2 mx 2 mがあれば、ポスターの前に机を置いた展示が可能です。コンセントがあれば電源を確保できるので、モニターを用意して動画を流すのも良いです。結構待ち時間が多いので、椅子とラップトップPCは用意した方が良いです。私は論文書いたりしてます。また、周囲のポスターを見に行ったり、常に自分のブースに貼り付いているわけではないと思うので、名刺入れやQRコード付きのノベルティチラシ、研究成果や研究室の案内を机に置いておくのも良いです。後からメールが来たりします。

ブースには、遠くから見えるように、大きく書いたタイトルを用意しておきます。一番伝えたいことが一目で分かるように。キャッチコピーもあると良いかもしれません。聴衆は、研究開発の部署ではなく、事業部や戦略室の場合が多いです。事業部に興味を持ってもらえれば、R&D部門に連絡がいき、共同開発に繋がります。事業部相手に研究の深い話をしても伝わりません。興味を持ってもらうには、まずは全体像をうまく見せる工夫が重要です。タイトルには専門用語を避けつつ、可能なら流行りの用語も混ぜ、シンプルに表現するのが良いです。

ポスター

研究成果のアピールも良いですが、「その研究開発はどんな人向け?」を考えた上で、共感できるような話を入れておくことも大事です。例えば、Aという製品が流行っている場合、確かにAに関する研究開発は企業の興味をひきやすいです。しかし、多くの会社は既にAに設備投資や特許出願をしている場合が多く、余程の新規性がない限り、A製品で勝負するのは難しいです。そこで、少し異なる研究開発で「Aを超えるA’」とか「Aの弱点領域のB」をアピールするのが一つです。すると、後発企業から共感を得られるかもしれません。

マーケットを簡単に調べておいて、A製品と違うポイントを一目でわかる図を用意しておくと良いです。A、A'、Bの特性を表にしてまとめるのも良いでしょう。スケジュールも興味を引いてもらえる図の一つです。B製品を市場に出す場合、現状ではどこまでできていて、A製品との進捗の差を示します。後発であればA製品よりも出遅れていると思いますが、それを補うだけの特性や価格、出荷までの優位性を示すとより興味を持ってもらえると思います。もちろん大学教員でマーケットの詳細まで把握している必要はないので、この辺りは大まかでいいと思います。説明している時に企業側から教えてもらうこともあります。

さいごに

大学の場合、「これから流行るかもしれない」ような研究が大半かと思います。まだ市場が形成されておらず、今後の伸びや需要が全くつかめないものです。せめて、このような場所に使えますよ、という応用先の案内だけでも喜ぶ企業はあります。アドバイスをくれる企業も結構ありました。帰ってから再調査して、次の展示会に繋げました。このような企業展示会に何度か参加して慣れてくると、自分の研究開発の延長で、起業という選択肢も見えてくるかもしれません。

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